◉ 当サイト『理系書探訪』(2024年)で紹介した記事の索引です。各ブロックをクリックするとその本の紹介記事に跳びます。“NDL” は国立国会図書館/個人送信サービスで読める書籍の記事であることを示します。【書評記事】はタイトル本とその周辺を探訪します。【NDL通信】では国立国会図書館/個人送信サービスで読める理系名著を紹介します。【全集探訪】では国立国会図書館/個人送信サービスで読める『全集』本を紹介します。
目次
- 【書評記事】第1話 渡辺慧『生命と自由』を読み解く
- 【書評記事】第2話 服部晶夫『多様体 増補版』/志賀浩二『多様体論』を読む
- 【書評記事】第3話 アベラ『ランド:世界を支配した研究所』を読み解く
- 【書評記事】第4話 デュ・ソーソイ『知の果てへの旅』を読み解く
- 【書評記事】第5話 石原藤夫『SF相対論入門』を読み解く
- 【書評記事】第6話 ラッセル・ショート『デカルトの骨』を読み解く
- 【書評記事】第7話 北川敏男編『サイバネティックス』を読み解く
- 【NDL理系書通信】第1報 「解析力学」の名著を国会図書館/個人送信サービスで読む
- 【NDL理系書通信】第2報「数理物理学の方法」の名著を国会図書館/個人送信サービスで読む
- 【NDL理系書通信】第3報 「寺田寅彦」の名著と評伝を国会図書館/個人送信サービスで読む
- 【全集探訪 No.1】 「寺田寅彦全集 文學編」全十六巻をNDL個人送信サービスで読む
- 【全集探訪 No.2】 「寺田寅彦全集 科學編」全六巻をNDL個人送信サービスで読む
【書評記事】第1話 渡辺慧『生命と自由』を読み解く
◉ 寺田寅彦が夢見た “物理学と生命科学/精神科学の統合”、この夢に物理学と情報科学の視点から迫った門下生がいました。ド・ブロイ、ボーアらの薫陶を受けた日本理論物理学界の貴公子、渡辺慧です。渡辺はウィーナー『サイバネティクス』の目的論的機械論を超える難解な “自由意志の数学的理論” の雛形を後世に残しました。その一般向けの解説書『生命と自由』は、渡辺の理論が読み解かれる日を静かに待っているのです。
【書評記事】第2話 服部晶夫『多様体 増補版』/志賀浩二『多様体論』を読む
◉ 現代数学の中心概念のひとつ、“多様体” は非線形科学の数学的舞台であり、曲線や曲面の概念を一般の次元に拡張/抽象化して得られる。今回は、先輩に「M を多様体、T(TM) を接バンドルの接バンドルとして、、、」などと言われて目を丸くしている新人さんのために、可微分多様体論の代表的な教科書2冊を中心にとりあげて紹介しよう。
【書評記事】第3話 アベラ『ランド:世界を支配した研究所』を読み解く
◉ 物語の舞台、ランド研究所は第二次世界大戦後のアメリカ合衆国に誕生したシンクタンクで、空軍の創設者、ヘンリー・アーノルド元帥がダグラス・エアクラフト社の幹部に命じて設立したプロジェクト・ランドを母体とする民間企業である。本書は、予期せぬ爆撃の記憶、真珠湾の後遺症のもと、核兵器が作りだした東西冷戦期に、フリシチョフ率いるソ連戦略ロケット軍に挑んだ数理至上主義の戦士たちの物語である。
【書評記事】第4話 デュ・ソーソイ『知の果てへの旅』を読み解く
◉ 深化し拡大する人類の科学的知見。著者は、そのような「人類の知」に果てがあるか、人類の知がどんなに発達しようとも答えられずに終わる問いが存在するか、そこに、超越者たる「神」が住まうのかを問います。カオスとシンメトリー、量子現象、宇宙の始まりと終わり、時間と空間、意識、自己言及等々、デュ・ソーソイは人類の科学的認識の果てを訪ね歩き、その彼方、知の果てに思いを巡らせます。そして、読者をそれぞれの「知の果てへの旅」へといざなうのです。
【書評記事】第5話 石原藤夫『SF相対論入門』を読み解く
◉ 伝説の雑誌「宇宙塵」のころから活躍する日本SF界の重鎮、石原藤夫博士が書いた日本初の一般向けの相対性理論の入門書『SF相対論入門』を紹介。本書を皮切りに石原の恒星間飛行をまじめに扱った「銀河旅行シリーズ」が展開されることになります。石原ハードSFの金字塔『宇宙船オロモルフ号の冒険』なども解説、あなたも、専門バカに向けた「バカSF」の世界を覗いてみませんか。
【書評記事】第6話 ラッセル・ショート『デカルトの骨』を読み解く
◉ 近代の厳密自然科学の礎を築いた偉人ルネ・デカルト。彼の死後、自分自身の心身二元論を象徴するかのように、その遺骨は頭部と胴体が分離、頭部は行方知れずとなった。本書は、その頭部の行方を追うノンフィクション・スリラーの傑作。インターネットで読める、デカルト評伝の決定版、バイエ『デカルト伝』の旧版なども紹介する。
【書評記事】第7話 北川敏男編『サイバネティックス』を読み解く
ノーバート・ウィーナーの『サイバネティクス』(1948)は欧州各国の科学技術政策に多大な影響を与えましたが、日本においても、戦後発足したばかりの日本學術會議が動き、「境界領域の問題討論會」を上野の学士院で1952年10月に開催、その議事録が、みすず書房「現代科學叢書」の記念すべき第一巻『サイバネティックス』として出版されることになります。本稿では、この講演討論會でどのような出席者が何を議論したのかを、北川敏男編『サイバネティックス』から読み解きます。
【NDL理系書通信】第1報 「解析力学」の名著を国会図書館/個人送信サービスで読む
◉ 現代物理学や動的システム論を基礎づける解析力学の名著、ゴールドスタイン『古典力学(第3版)』、アーノルド『古典力学の数学的方法』は、2021年6月の法律改正によって国立国会図書館の個人送信サービスにより手元端末で読める時代になりました。この文書では、解析力学の概要とネットで読める上記2書のほか、伏見康治『力学』など、解析力学の名著を紹介します。
【NDL理系書通信】第2報「数理物理学の方法」の名著を国会図書館/個人送信サービスで読む
◉ 数理物理学は、数学を物理学の全分野に渉って横断的に役立たせるという目的で研究される分科です。その数理物理学のために書かれた数学的方法の教科書といえば、今も世界中で読み継がれている教科書、クーラン=ヒルベルト『数理物理学の方法』です。今回は、本書とその成立背景、さらに、アヒエゼル/グラズマンの『ヒルベルト空間論』などを紹介します。また、定評あるヒルベルトの評伝、リード『ヒルベルト』も併せて紹介しましょう。
【NDL理系書通信】第3報 「寺田寅彦」の名著と評伝を国会図書館/個人送信サービスで読む
◉ 高知城の北西端、井の口川に沿って淡い色合いの石積みの低い瓦塀が続く。その瓦塀の内に静かに佇む邸宅がある。寺田寅彦記念館である。門に埋め込まれた石碑には寅彦の名を不朽とした名言「天災は忘れられたる頃来る」が刻まれている。寅彦は、欧米の先進的な物理学のキャッチアップを潔しとせず、当時の物理科学では扱い切れない複雑怪奇な日常の現象や謎の解明に一生を捧げた。寅彦の人柄を慕って集う多くの理系人材を門下に抱え、彼らに強い印象を残した。当サイト『理系書探訪』でもお馴染み、理論物理学者にして情報理論の先駆者、渡辺慧もその門下である。今回は、NDL個人送信サービスで読める寺田寅彦の世界を探訪する。
【全集探訪 No.1】 「寺田寅彦全集 文學編」全十六巻をNDL個人送信サービスで読む
◉ 明治から昭和初期にかけて活躍した物理学者、寺田寅彦が残した「科学と文学の驚くべき融合」の全貌、『寺田寅彦全集 文學編』全十六巻の紹介です。随筆、俳諧、未完原稿、ローマ字文、日記、手帳、書簡などを網羅、OCRでテキスト化されていて、新字新仮名でも全文検索に対応。該当項目をクリックすると、スキャンデータの「コマ」に飛んで検索文字に矢印アイコンが現れます。PCでの閲覧がお勧めです
【全集探訪 No.2】 「寺田寅彦全集 科學編」全六巻をNDL個人送信サービスで読む
文理融合の人、寺田寅彦。その科学者としての実像に迫るための第一級資料、『寺田寅彦全集 科學編』全6巻がインターネットで読める時代になりました。本稿では各巻をそれぞれ紹介します。第1巻から第5巻は欧文論文211編、最終巻には邦文論文58編がまとめられています。なお、ドイツ語論文はタイトルのみで本文は未収録です。各巻、タイトルは英文、『寺田寅彦全集 科學編』はその和訳です。