書評記事 情報理論渡辺慧サイバネティクスブラックホール 第16話 デイヴィス『幸運な宇宙』を読み解く ❖ 理系書探訪【書評記事】 ◉ あらゆる自然法則を生み出すただ一つの言明、“万物の理論”。そのような理論があるなら、すべての物理定数が、何故、その値なのかを説明するはず、、、。一方、特定の物理定数のわずかな変更で生命、星、銀河、さらには宇宙そのものが安定しては存在しないことが明らかとなり、その意味を巡り、数学寄りの説明「多宇宙論(マルチバース)」... 2025年7月11日 探訪堂主人
書評記事 サイバネティクスブラックホール小松左京ミチオ・カク 第13話 ミチオ・カク『2100年の科学ライフ』を読み解く ❖ 理系書探訪【書評記事】 ◉ 令和の御代、“世界中でZ世代悲観論” が渦巻き、統計調査によれば、かれらは、人工知能による社会監視強化の未来に萎縮し、それと同時に、自分たちにそのような社会を変える力はないという無力感をも抱いています。しかし、かれらに寄り添う “フレンドリーな人工知能” のある未来を描く強い味方もいるのです。その名は、ミチオ・カク... 2025年4月25日 探訪堂主人
書評記事 ブラックホール不確定性対称性 第11話 スタイン『不可能、不確定、不完全』を読み解く ❖ 理系書探訪【書評記事】 ◉ この世には「望めないこと」、「測れないこと」、「決められないこと」に関する確かな事実が存在する、、、。本稿、第11話では、数学的言語がこの世界を如何に説明するかをまとめた物語、スタイン『不可能、不確定、不完全』を読み解きます。扱うのは、アローの不可能性定理、ハイゼンベルクの不確定性原理、ゲーデルの不完全性定理だけで... 2025年2月21日 探訪堂主人
書評記事 渡辺慧ブラックホール対称性多様体 第9話 ミラー『ブラックホールを見つけた男』を読み解く ❖ 理系書探訪【書評記事】 ◉ 巨大な質量をもつ恒星が、勢いを失って膨張し自重を支え切れなくなって崩壊する、というワクワクするシナリオがあります。崩壊の結果、星を形成する物質は圧し潰されて “固くなる” ものの、いずれは重力と釣り合って平衡するはず。ところが、英国行客船のデッキで、ふと思いついて,白色矮星を構成するプラズマ状物質内の電子の速度を、... 2024年12月20日 探訪堂主人
書評記事 情報理論寺田寅彦渡辺慧サイバネティクス 第8話 北川敏男編『續サイバネティックス』を読み解く ❖ 理系書探訪【書評記事】 ◉ 日本學術會議主催の「サイバネティックス」討論會、概念理解に的を絞った第1回討論會に対し,1953年9月の第2回討論會では、サイバネティックス的なシステム構築の要となる重要概念 “自動制御機構と情報通信過程” の詳細を取り上げます。自動制御工學、通信工學、物理測定論、脳生理學のパイオニアが登壇、白熱した議論が展開され... 2024年10月11日 探訪堂主人
書評記事 ブラックホール対称性小松左京ミチオ・カク 第5話 石原藤夫『SF相対論入門』を読み解く ❖ 理系書探訪【書評記事】 ◉ 伝説の雑誌「宇宙塵」のころから活躍する日本SF界の重鎮、石原藤夫が書いた日本初の一般向けの相対性理論の入門書『SF相対論入門』を紹介。本書を皮切りに石原の恒星間飛行をまじめに扱った「銀河旅行シリーズ」が展開されることになります。石原ハードSFの金字塔『宇宙船オロモルフ号の冒険』なども解説、あなたも、専門バカに向けた... 2024年7月5日 探訪堂主人
書評記事 情報理論寺田寅彦ブラックホール不確定性 第4話 デュ・ソートイ『知の果てへの旅』を読み解く ❖ 理系書探訪【書評記事】 ◉ 深化し拡大する人類の科学的知見。著者は、そのような「人類の知」に果てがあるか、人類の知がどんなに発達しようとも答えられずに終わる問いが存在するか、そこに、超越者たる「神」が住まうのかを問います。カオスとシンメトリー、量子現象、宇宙の始まりと終わり、時間と空間、意識、自己言及等々、デュ・ソーソイは人類の科学的認識の果... 2024年6月7日 探訪堂主人
書評記事 情報理論寺田寅彦渡辺慧サイバネティクス 第1話 渡辺慧『生命と自由』を読み解く ❖ 理系書探訪【書評記事】 ◉ 寺田寅彦が夢見た “物理学と生命科学/精神科学の統合”、この夢に物理学と情報科学の視点から迫った門下生がいました。ド・ブロイ、ボーアらの薫陶を受けた日本理論物理学界の貴公子、渡辺慧です。渡辺はウィーナー『サイバネティクス』の目的論的機械論を超える難解な “自由意志の数学的理論” の雛形を後世に残しました。その一般向... 2024年3月15日 探訪堂主人