書評記事 不確定性解析力学ベル研究所数理物理 第17話 セグレ『X線からクォークまで』を読み解く ❖ 理系書探訪【書評記事】 ◉ 数学だの物理だのといえば、あの変人たちの喜ぶ意味不明な概念と数式の羅列に、若き日の嫌な記憶が蘇ってくるばかり、、、。ところが、『X線からクォークまで』の著者セグレは、彼らの変人ぶり、人間的要素を辿れば、スリリングなその人生模様とともに、彼らの “仕事の中身” に近づけるといいます。孤高の研究者有り、いつの間にか “... 2025年8月22日 探訪堂主人
書評記事 情報理論渡辺慧サイバネティクスブラックホール 第16話 デイヴィス『幸運な宇宙』を読み解く ❖ 理系書探訪【書評記事】 ◉ あらゆる自然法則を生み出すただ一つの言明、“万物の理論”。そのような理論があるなら、すべての物理定数が、何故、その値なのかを説明するはず、、、。一方、特定の物理定数のわずかな変更で生命、星、銀河、さらには宇宙そのものが安定しては存在しないことが明らかとなり、その意味を巡り、数学寄りの説明「多宇宙論(マルチバース)」... 2025年7月11日 探訪堂主人
書評記事 ブラックホール不確定性対称性 第11話 スタイン『不可能、不確定、不完全』を読み解く ❖ 理系書探訪【書評記事】 ◉ この世には「望めないこと」、「測れないこと」、「決められないこと」に関する確かな事実が存在する、、、。本稿、第11話では、数学的言語がこの世界を如何に説明するかをまとめた物語、スタイン『不可能、不確定、不完全』を読み解きます。扱うのは、アローの不可能性定理、ハイゼンベルクの不確定性原理、ゲーデルの不完全性定理だけで... 2025年2月21日 探訪堂主人
書評記事 情報理論寺田寅彦渡辺慧サイバネティクス 第7話 北川敏男編『サイバネティックス』を読み解く ❖ 理系書探訪【書評記事】 ◉ ノーバート・ウィーナーの『サイバネティクス』(1948)は欧州各国の科学技術政策に多大な影響を与えましたが、日本においても、戦後発足したばかりの日本學術會議が動き、「境界領域の問題討論會」を上野の学士院で1952年10月に開催、その議事録が、みすず書房「現代科學叢書」の記念すべき第一巻『サイバネティックス』として出... 2024年9月6日 探訪堂主人
書評記事 情報理論寺田寅彦ブラックホール不確定性 第4話 デュ・ソートイ『知の果てへの旅』を読み解く ❖ 理系書探訪【書評記事】 ◉ 深化し拡大する人類の科学的知見。著者は、そのような「人類の知」に果てがあるか、人類の知がどんなに発達しようとも答えられずに終わる問いが存在するか、そこに、超越者たる「神」が住まうのかを問います。カオスとシンメトリー、量子現象、宇宙の始まりと終わり、時間と空間、意識、自己言及等々、デュ・ソーソイは人類の科学的認識の果... 2024年6月7日 探訪堂主人
書評記事 情報理論寺田寅彦渡辺慧サイバネティクス 第1話 渡辺慧『生命と自由』を読み解く ❖ 理系書探訪【書評記事】 ◉ 寺田寅彦が夢見た “物理学と生命科学/精神科学の統合”、この夢に物理学と情報科学の視点から迫った門下生がいました。ド・ブロイ、ボーアらの薫陶を受けた日本理論物理学界の貴公子、渡辺慧です。渡辺はウィーナー『サイバネティクス』の目的論的機械論を超える難解な “自由意志の数学的理論” の雛形を後世に残しました。その一般向... 2024年3月15日 探訪堂主人