書評記事 情報理論渡辺慧寺田寅彦サイバネティクス 第15話 渡辺慧『認識とパタン』を読み解く ❖ 理系書探訪【書評記事】 ◉ 1956年、IBMワトソン研究所に活躍の舞台を移した理論物理学者、渡辺慧は、近代厳密自然科学の方法論による “自由意志の謎”の解明に向けて、独自の情報理論の構築を開始します。本書『認識とパタン』は,1939年、情報論的エントロピーを世界に先駆けて導入した渡辺が、1960年代当時の情報理論応用の最先端課題、“パターン... 2025年6月20日 探訪堂主人
書評記事 情報理論寺田寅彦渡辺慧サイバネティクス 第8話 北川敏男編『續サイバネティックス』を読み解く ❖ 理系書探訪【書評記事】 ◉ 日本學術會議主催の「サイバネティックス」討論會、概念理解に的を絞った第1回討論會に対し,1953年9月の第2回討論會では、サイバネティックス的なシステム構築の要となる重要概念 “自動制御機構と情報通信過程” の詳細を取り上げます。自動制御工學、通信工學、物理測定論、脳生理學のパイオニアが登壇、白熱した議論が展開され... 2024年10月11日 探訪堂主人
書評記事 情報理論寺田寅彦渡辺慧サイバネティクス 第7話 北川敏男編『サイバネティックス』を読み解く ❖ 理系書探訪【書評記事】 ◉ ノーバート・ウィーナーの『サイバネティクス』(1948)は欧州各国の科学技術政策に多大な影響を与えましたが、日本においても、戦後発足したばかりの日本學術會議が動き、「境界領域の問題討論會」を上野の学士院で1952年10月に開催、その議事録が、みすず書房「現代科學叢書」の記念すべき第一巻『サイバネティックス』として出... 2024年9月6日 探訪堂主人
書評記事 寺田寅彦伏見康治デカルト 第6話 ラッセル・ショート『デカルトの骨』を読み解く ❖ 理系書探訪【書評記事】 ◉ 近代の厳密自然科学の礎を築いた偉人ルネ・デカルト。彼の死後、自分自身の心身二元論を象徴するかのように、その遺骨は頭部と胴体が分離、頭部は行方知れずとなった。本書は、その頭部の行方を追うノンフィクション・スリラーの傑作。インターネットで読める、デカルト評伝の決定版、バイエ『デカルト伝』の旧版なども紹介する。... 2024年8月2日 探訪堂主人
全集探訪 情報理論寺田寅彦渡辺慧サイバネティクス No.2 「寺田寅彦全集 科學編」全6巻をNDL個人送信サービスで読む ❖ 理系書探訪【全集探訪】 ◉ 文理融合の人、寺田寅彦。その科学者としての実像に迫るための第一級資料、『寺田寅彦全集 科學編』全6巻がインターネットで読める時代になりました。本稿では各巻をそれぞれ紹介します。第1巻から第5巻は欧文論文211編、最終巻には邦文論文58編がまとめられています。なお、ドイツ語論文はタイトルのみで本文は未収録です。 科学... 2024年6月21日 探訪堂主人
書評記事 情報理論寺田寅彦ブラックホール不確定性 第4話 デュ・ソートイ『知の果てへの旅』を読み解く ❖ 理系書探訪【書評記事】 ◉ 深化し拡大する人類の科学的知見。著者は、そのような「人類の知」に果てがあるか、人類の知がどんなに発達しようとも答えられずに終わる問いが存在するか、そこに、超越者たる「神」が住まうのかを問います。カオスとシンメトリー、量子現象、宇宙の始まりと終わり、時間と空間、意識、自己言及等々、デュ・ソーソイは人類の科学的認識の果... 2024年6月7日 探訪堂主人
NDL通信 情報理論寺田寅彦渡辺慧藤原咲平 第3報 「寺田寅彦」の名著と評伝を国会図書館/個人送信サービスで読む ❖ 理系書探訪【NDL通信】 ◉ 新刊本屋に行くとよく目にする、緑の岩波文庫『寺田寅彦随筆集』(全五巻)で御馴染みの日本科学エッセイ界の巨匠、寺田寅彦。そのほとんど全ての著作が、国立国会図書館(NDL)の個人送信サービスによって、インターネットで読める時代になりました。本稿では、寅彦の随筆の入門的な案内、門下生たち、寅彦の生涯について、関連文献を引... 2024年5月24日 探訪堂主人
NDL通信 寺田寅彦伏見康治解析力学数理物理 第2報 「数理物理学の方法」の名著を国会図書館/個人送信サービスで読む ❖ 理系書探訪【NDL通信】 ◉ 数理物理学の数学的方法の教科書といえば、何といっても、クーラン=ヒルベルト『数理物理学の方法』全4巻です。今回は、このクーラン=ヒルベルト『数理物理学の方法』とアヒエゼル/グラズマンの『ヒルベルト空間論』を中心に、ヒルベルトの評伝なども取り上げて紹介します。... 2024年5月17日 探訪堂主人
全集探訪 情報理論寺田寅彦渡辺慧 No.1「寺田寅彦全集 文學編」全十六巻をNDL個人送信サービスで読む ❖ 理系書探訪【全集探訪】 ◉ 明治から昭和初期にかけて活躍した物理学者、寺田寅彦が残した「科学と文学の驚くべき融合」の全貌、『寺田寅彦全集 文學編』全十六巻の紹介です。随筆、俳諧、未完原稿、ローマ字文、日記、手帳、書簡などを網羅、OCRでテキスト化されていて、新字新仮名でも全文検索に対応。該当項目をクリックすると、スキャンデータの「コマ」に飛ん... 2024年5月17日 探訪堂主人
書評記事 情報理論寺田寅彦渡辺慧サイバネティクス 第1話 渡辺慧『生命と自由』を読み解く ❖ 理系書探訪【書評記事】 ◉ 寺田寅彦が夢見た “物理学と生命科学/精神科学の統合”、この夢に物理学と情報科学の視点から迫った門下生がいました。ド・ブロイ、ボーアらの薫陶を受けた日本理論物理学界の貴公子、渡辺慧です。渡辺はウィーナー『サイバネティクス』の目的論的機械論を超える難解な “自由意志の数学的理論” の雛形を後世に残しました。その一般向... 2024年3月15日 探訪堂主人